【僕たちの嘘と真実】欅坂46が秋冬を表すグループであるならば【感想】

欅坂46

「僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46」は、平手友梨奈を軸として「欅坂46の5年間とは、何であったのか?」を描くドキュメンタリー映画である。あくまでも平手友梨奈が中心であり、フロントメンバーであった長濱ねる、今泉佑唯、志田愛佳がなぜ卒業したのかは、描かれていない。

欅坂46における平手友梨奈論は散々語り尽くされているであろうから、最初に感想を述べたうえで、欅坂46の改名後のグループについて書いていきたい。ネタバレ注意です。

黒い羊は永く生きられない

映画の終盤、『黒い羊』のライブ映像が流れる。

「全部 僕のせいだ」

この平手友梨奈が歌う歌詞にすべてが詰まっているように思えた。異能のセンターであった平手友梨奈は、「憑依型パフォーマンス」といわれるほどその表現力に長けていた。『不協和音』のパフォーマンス後の過呼吸や、『ガラスを割れ!』での花道を駆け抜けるアドリブなど、アイドルというよりは「表現者」という言葉が近い。

しかし、その才能が故に、黒い羊となったグループのセンターの寿命は永くは持たなかった。

『黒い羊』には、次のような歌詞がある。

黒い羊 そうだ 僕だけがいなくなればいいんだ
そうすれば 止まった針はまた動きだすんだろう?
白い羊 なんて 僕は絶対になりたくないんだ
そうなった瞬間に 僕は僕じゃなくなってしまうんだ

発売予定だった9thシングル『10月のプールに飛び込んだ』は、これまでの曲調とは違い、明るくポップな曲調だった。この曲で白い羊になってしまうことを恐れた黒い羊が、9thシングルを拒んだのも納得ができる。「そうなった瞬間に 僕は僕じゃなくなってしまうんだ」ただ、それも「全部 僕のせい」なのである。

平手友梨奈の最後のシングルが『黒い羊』であったのはいかにも象徴的である。

(ただ、これは平手友梨奈がグループで完全に孤独だったことを意味しない。事実、東京ドームの出番前にメンバーに抱きついて不安を紛らわせようとする姿や、グループから脱退することをメンバーに伝えたとき、泣いて悲しがるメンバーを抱きしめる平手友梨奈の姿が映し出されている。)

欅坂46が秋冬を表すグループであるならば

全国ツアーの出演が叶わなかった平手友梨奈に代わり、『二人セゾン』のセンターを務めることになった小池美波は、二人セゾンのソロダンスに悩むことになる。

その際に小池美波の語った言葉が強く印象に残っている。

「平手のセゾンと対になるようなものにしたい。平手のセゾンが秋冬なら、私のセゾンは春夏。平手とつながるようなセゾンを表現したい。」

ここに改名後のグループの目指すべき姿があるのではないか。

「欅坂46が秋冬、改名後のグループが春夏」

それでこそ、改名後のグループとこれまで辞めていったメンバーとのつながりを表現できるのではないか。対になってこそ「欅坂46」という作品が完成するのではないか。

小池美波の言葉から、そのようなことを思った。

春に開花し、夏に青々しい葉をつける桜は、秋に紅葉し、冬に開花の準備をする。

いまは、花のない桜を見上げ、満開の日を心待ちにしよう。

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